てくてく日:
梅雨の合間の晴れ間に、向島から因島大橋を歩いて白滝山へ。
名物はっさく大福や瀬戸内の花、歴史ある信仰の山と展望の絶景が楽しめる日帰り山行をレポートします。
これから山や街を歩いてみたい方にも、
「歩く感覚」が伝わるように構成しています。
この旅の記録が、あなたのてくてくのヒントになりますように。
道の分岐や立ち寄った場所の写真もあるので、よかったらのぞいてみてね。
因島、白滝山とは?基本情報と魅力
白滝山(しらたきやま)
広島県尾道市因島に位置する白滝山(標高226m)は、瀬戸内海の多島美を一望できる展望スポットとして知られています。山頂には、江戸時代後期に建立された約700体の石仏群「五百羅漢」が並び、訪れる人々に深い歴史の息吹を感じさせます。また、恋愛成就のパワースポットとして知られる「恋し岩」もあり、多くの参拝者が訪れます。
五百羅漢と恋し岩:歴史と伝説の融合
白滝山の五百羅漢は、江戸時代後期に地元の豪商・柏原伝六が開いた「一観教」の教義に基づき、弟子や石工たちとともに3年の歳月をかけて建立されました。これらの石仏群は、神道、儒教、仏教、キリスト教の四大宗教の共通理念を基礎にしており、多様な表情やポーズが特徴です。
また、山頂の観音堂裏手にある「恋し岩」には、悲恋の伝説が残されています。
触れると恋がかなうとされ、恋愛成就のパワースポットとして人気を集めています。
アクセス情報と登山ルート
- 所在地:広島県尾道市因島重井町
- アクセス:
- しまなみ海道「因島北IC」から車で約5分
- JR尾道駅から因島土生港行きバスで約30分、「因島北IC入口」下車、徒歩約1時間
- 駐車場:あり(無料)
- 白滝フラワーライン駐車場/八合目駐車場(山頂まで徒歩約10分)
- 表参道駐車場(山頂まで徒歩約30分)
- 登山道:登山道の両脇には石仏が並び、山頂までの道のりを楽しめます。
因島の魅力:歴史と自然が調和する島
因島は、村上水軍の本拠地として知られ、歴史的なスポットが点在しています。
「因島水軍城」では、水軍の歴史や文化に触れることができます。
また、因島大橋からの眺望や、地元の特産品である「はっさく」を使ったスイーツも楽しめます。
てくてく場所
因島、白滝山
山行3:08 休憩0:40 合計3:48 距離 12.6km 登り 572m 下り 572m

雨上がりの朝、ふと思い立って
昨日の晩から雨。
天気予報ではしばらく雨が続くよう。
せっかくのお休み。できれば山に登りたい。もうすぐ梅雨入り。今のうちに楽しみたい。
朝起きてカーテンを開けると、雨は止んでいる。
予報を見ると6時ごろには雨が上がり、昼前には晴れるとのこと。
「これは行けるな」と判断し、近場の山行計画を確認。
選んだのは、尾道の対岸・向島から因島大橋を歩いて渡り、白滝山へ登るコース。
比較的自宅からも近く、万が一雨が残っていても、橋の構造が屋根代わりになってくれる。
白滝山も車道を使えば足元を気にせず歩ける。
これはありがたい。
しまなみ海道とサイクリストたち
仕事に出かける妻を見送って、8時ごろスクーターで出発。
向島に入ると、何組もの外国人サイクリストとすれ違う。
ここはしまなみ海道。世界有数のサイクリングロードだ。
目的地は因島大橋のたもと、立花臨海公園の駐車場。
スクーターを停め、歩行者専用の道へ。
朝まで降っていた雨の影響で、階段は湿っていて少し不気味。
看板には「マムシに注意」の文字も。
恐る恐る階段を登ると、あっという間に因島大橋に到着。
橋は2層構造。上が車道、下が歩行者と自転車道。歩く人も自転車も、安心して通れる設計になっている。
フェンス越しに布刈瀬戸の海を眺めながら20分ほど歩き、因島側へ渡る。
名物スイーツ・はっさく大福
まずは寄り道。
はっさく大福で有名な「はっさく屋」さんへ。
以前、妻と訪れたときには売り切れだったため、今回はリベンジ。
まだ早い時間だったため、棚にはたくさんのはっさく大福。ひとつ購入。
近くの大浜埼灯台近くの砂浜に下りて、潮風と波音を感じながらひと休み。
甘い白あんと爽やかなはっさくの苦みが絶妙。これは癖になる。
信仰と展望の白滝山へ
海岸線を歩き、登山口のある重井地区へ向かう。
白滝フラワーラインからも登れるが、今回は登山道から。
登り始めは草が茂っていたが、少し登ると仁王門が現れた。
ここ白滝山は、かつて修験道の修行場。
その後、村上水軍の村上吉充が築城の見張り場所として観音堂を建立。
さらに豪商・柏原伝六が五百羅漢を彫り、現在では約700体の石仏群が祀られている。
表参道には摩崖仏や石仏が並び、信仰の道を歩いている気持ちになる。
山頂の観音堂に挨拶をし、五百羅漢を見学。
展望台からは360度の絶景。いつか夜景も見てみたいと思える場所だった。
昼食と下山、そして再び橋へ
昼食は、向島のスーパーで買ったサバフライとパン。
思った以上のボリュームで満足感が高い。
お腹を満たし、裏参道を使って下山。白滝フラワーラインを歩いて大浜PAへ。
途中、黄色の花・オオキンケイギクや、因島の花・除虫菊の花畑に出会う。
静かな道を歩き、大浜PAでノンアルビールで一息ついて再び因島大橋へ。
橋を渡りきり、向島の立花臨海公園駐車場へ戻る。
天気も回復し、思いがけず充実した山行に。
瀬戸内のスイーツや花、そして絶景。雨上がりの白滝山は、とても気持ちの良い場所でした。
てくてく行程
出発地点:向島・立花臨海公園駐車場

立花臨海公園駐車場にスクーターを停めさせていただきます。
上に見える橋はしまなみ海道の因島大橋これから歩いて因島に向かいます。
朝まで降っていた雨が嘘のよう。

公園の奥に歩行者用の登り口があるのでそこから因島大橋へ上がります。
マムシに注意。
そんな季節ですねえ〜。

因島大橋は桁下50mの高さにあるということで階段を上がって来ました。
因島大橋:歩行者専用道を通って因島へ

自転車歩行者道まで上がって来ましたよ。
それでは因島大橋へ。

ドーン!
因島大橋。橋の長さ1,270m。
2層構造で上段は車道。下段は自転車歩行者道になってます。
しまなみ海道を構成する橋梁のひとつでもある因島大橋はサイクリストの聖地。
わたしは歩き。
いざっ!

おーっ!
なんかスターウォーズ感がある!
向かって左は自転車道。右が歩行者道。
外国人のカップルがたくさん。
ファイト!

因島大橋から因島方面の眺め。

こちらは遠くに三原が見える。
まだまだ先は長いぞ。

約20分かけて因島大橋を渡ってきました。
通行料は歩行者と自転車は無料。
原付と125cc以下の軽車両は50円。
歩けば無料で四国まで行けるなあ。

料金所を過ぎて少し歩いた右手に降りる階段へ。
はっさく屋:名物「はっさく大福」を購入

階段を下りた先の因島大橋記念公園の傍にあるはっさく屋さんに寄り道します。
なぜならば…

因島といったらアレ。
はっさく大福です。
おひとつゲット。
どこで食べよっかなあ。

灯台記念館の方へ行ってみよう。

因島大橋が見えるぞ。
何か良い景色の予感。

こちらが灯台記念館のようだ。
元々は明治43年に建築された旧大浜埼船舶通航潮流信号所で昭和29年まで運営されていたらしい。
記念館ですが寂れてしまってます。

灯台記念館の先にある灯台に向かってます。
大浜埼灯台:砂浜で休憩しながらスイーツを堪能

大浜埼灯台に到着。
白くて可愛らしい灯台だ。
それではこの辺りで…

砂浜に下りて来ました。
ここで海を眺めながらはっさく屋さんのはっさく大福をいただくことにしよう。

ゴロッと入ったはっさくの酸味と苦味が白あんの甘さと相まって美味しい。
ごちそう様でした。

因島八景のひとつ大浜埼灯台から布刈瀬戸に架かる因島大橋の眺め。良い景色だ。

それではしまなみビーチ沿いを歩いて白滝山に向かいましょう。

取られずじまいの柑橘。
白滝山登山口:登山開始

白滝山の登山口に到着しました。
それではここから先は山登り。
お願いしま〜す。ヨッコラしょっと。

白滝山の山頂には因島村上氏第6代の村上吉充公が瀬戸内海を行き交う船の見張りどころとして建立した観音堂があります。
では、仁王門をくぐって参拝しましょう。

仁王門をくぐると六地蔵がお出迎え。
お邪魔しま〜す。

観音堂への参道は左手に進むようなのですが直進する遊歩道が気になるのでここは直進します。

口を開けた亀の横顔のような岩のトンネル。岩の陰でお不動様が祀られていました。

参道に合流します。
観音堂までもう少し。

ここで表参道と裏参道に分岐。ここは表参道から。

観音堂の境内を支える石垣が見えてきたぞ。

着いた。
観音堂の山門だ。
ちなみに前掛けを着けた石像は膝の羅漢像様。膝を撫でると症状が和らぐらしい。
スリスリ。
白滝山山頂:五百羅漢と絶景を楽しむ

観音堂に到着しました。
ご挨拶していきましょう。こんにちは。

挨拶も済んだので山頂に向かいましょう。
五百羅漢様がお出迎えしてくれてます。

山頂一帯に鎮座する五百羅漢様。
江戸時代の終わり頃、柏原伝六という因島の豪商が、神道、儒教、仏教の教義をもとに一観教を開き、白滝山に清浄世界を表そうと弟子らとともに五百羅漢を刻んだものらしい。

で、白滝山の山頂に到着。
展望台に登ってみましょう。

五百羅漢越しに三原方面の眺め。
素晴らしい。

こちらは沼隈方面かな。
因島大橋が見える。

そしてこちらが瀬戸田方面。
生口橋が見えるぞ。

因島に散らばる因島村上氏の山城。
どれっ? あれっ。

それではお昼ごはんにしよう。
今日は向島にある24時間営業のスーパーで購入した総菜とパン。
ガッツリいただきました。
山ルート:裏参道を通って白滝フラワーラインへ

食べた食べた。
それでは観音堂の裏手を通る裏参道を歩いて下山を開始します。

うさぎ岩。
どれ?
あれっ。

白滝山の8合目にある白滝フラワーラインの駐車場へ下りてきました。
下山は白滝フラワーラインをぼちぼち歩きます。

オオキンケイギクの花園。
綺麗なんだがこの花特定外来生物に指定されているんだよなあ。
綺麗なんだがなあ。

オオキンケイギクの次は除虫菊。
ペルシャ地方原産の花で明治初期に日本に伝わり殺虫剤や蚊取り線香の原料として栽培が始まったらしい。
オオキンケイギクと同じ外来種なんだ。
大浜PA:休憩後、因島大橋を渡って向島へ戻る

白滝フラワーラインをぼちぼち歩いてしまなみ海道の大浜PAへ到着しました。
ノンアルコールビールでのどの渇きを癒します。ク〜ッ!

では因島大橋を歩いて向島に戻りましょう。

向島に戻ってきました。
立花臨海公園駐車場に向かいます。

因島大橋は良い散歩コースだなあ。近所の人がうらやましい。

スクーターを停めさせていただいている立花臨海公園駐車場に戻りました。いろいろ見れて楽しかったなあ。


この記事が気に入ったら、次の旅もぜひ。