てくてく日:2023/11/23
娘の様子を見に東京へ。
せっかくの機会だからと、徳川家康公ゆかりの地・日光東照宮を訪れ、外山の山頂まで足を延ばしました。
紅葉が残る日光の街並み、家族との再会、そして静かな山歩き。
心も体もリフレッシュできた、そんな旅の記録です。
これから山や街を歩いてみたい方にも、
「歩く感覚」が伝わるように構成しています。
この旅の記録が、あなたのてくてくのヒントになりますように。
道の分岐や立ち寄った場所の写真もあるので、よかったらのぞいてみてね。
日光東照宮と外山を巡る散策
日光東照宮は、徳川家康を祀る霊廟として1617年に創建され、1999年には「日光の社寺」として世界遺産に登録されました。
豪華絢爛な陽明門や、平和を象徴する「眠り猫」の彫刻など、多くの見どころがあります。
また、東照宮の北東に位置する外山(とやま)は、日光山の魔除けとして毘沙門天が祀られており、山頂からは日光連山や市街地を一望できます。
歴史と自然が融合したこの地を訪れ、心静かなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
日光
日光東照宮の歴史と見どころ
関東でも有数の観光名所として知られる「日光東照宮」。
ここには、江戸幕府を開いた徳川家康公が神様として祀られています。
もともとは1617年、家康の遺命により建てられたのが始まり。
静岡県の久能山から日光へと御霊が移され、「東照大権現」として祀られました。
その後、三代将軍・家光の代に現在のような華麗な社殿群へと大改修され、
現代に残る荘厳で色彩豊かな建築が完成しました。
見どころ1:陽明門(ようめいもん)
まず見逃せないのが、国宝に指定されている「陽明門」。
“一日中見ていても飽きない”という意味から「日暮門(ひぐらしのもん)」とも呼ばれます。
門をぐるりと囲むように、500以上もの彫刻がほどこされており、
その一つひとつに意味や物語があるのだとか。
動物、仙人、聖人などが彫り込まれ、まさに芸術の極み。
見どころ2:眠り猫(ねむりねこ)
東回廊にある「眠り猫」の彫刻も有名ですね。
こちらも国宝に指定されており、彫刻家・左甚五郎の作と伝えられています。
平和を象徴する猫が、静かに目を閉じて眠っている姿は、
争いのない世を願った家康公の理想そのものかもしれません。
眠り猫の奥には「奥宮」への道が続いており、
階段をのぼった先には、家康公が眠る墓所があります。
苔むす石段と杉の巨木に囲まれた、静寂の世界です。
見どころ3:三猿と想像の象
「見ざる・言わざる・聞かざる」でおなじみの「三猿」の彫刻も、
東照宮のなかでとくに人気のあるスポット。
また「想像の象」と呼ばれる、実際に象を見たことがない彫刻師が想像だけで作った象の彫刻もおもしろい存在です。
ユーモラスで、どこか現実離れした象の姿が親しみを誘います。
てくてく歩いて、静寂の外山(とやま)へ
にぎやかな日光東照宮をあとにして、
少し足をのばしてみたのが「外山(とやま)」という静かな山。
標高は約880メートル。
日光市街地から近く、それでいて人の少ない穴場的な存在です。
観光地の喧騒から離れて、落ち着いた時間を過ごしたい方にはぴったり。
登山口は稲荷川橋そばから案内がある
登山のスタートは稲荷川沿いの住宅地にあり。
小さな鳥居をくぐり、参道のような山道を進みます。
途中には、日光の町並みがちらりと見える場所もあり、
少し登っただけでも気持ちの良い景色がひらけてきます。
少し急な斜面だが片道30分から1時間、のんびり散策できるやさしい山道です。
山頂の外山毘沙門堂(とやまびしゃもんどう)
山頂には「外山毘沙門堂」がひっそりと建っています。
毘沙門天は戦勝の神・財宝の神として信仰されており、
地元では古くからの信仰の場とされているそうです。
堂内には参拝用の賽銭箱と小さな本堂があり、
静かに手を合わせていると、心が穏やかになっていくような感覚に。
周囲をぐるりと囲む杉林の中に、風の音と鳥のさえずりだけが響きます。
外山からの下山もまた、てくてく旅
帰りは登ってきた道をそのまま下山。
観光の合間にふらっと立ち寄るにも適した距離感と時間でした。
外山は、日光の“静”を感じることができる場所。
東照宮で“歴史の息吹”を感じたあとに、
この外山で“自然の静けさ”を味わってみるのもおすすめです。
てくてく場所
娘の様子を見に、東京へ
娘の様子を確認するため、はるばる東京へ。
前日の15時に自宅を出発し、高速道路で車中泊をしながら東京を目指す。
到着は朝の5時30分。
娘は夜勤帯で働いているが、たまたま休みが取れたそうで、
徳川家康公ゆかりの地巡りの“最終地点”と考えていた日光東照宮へ、一緒に出掛けることにした。
急遽、宿をとって日光へ
当初は日帰りの予定だった。
しかし、妻の体調が悪く、わたしも血圧が190を超えており、少々不安。
そのため、急遽宇都宮に宿を取ることに。
人の多さと日光の紅葉と、二社一寺の巡礼
娘と合流し、日光へ。
いきなり東北道が事故渋滞で、予定より到着が遅れる。
とはいえ、駐車場も社寺もオンラインチケットを事前購入していたおかげでスムーズに巡ることができた。
紅葉はもう終わっているかと思っていたが、まだまだ木々は色づいており、感動。
そして、観光客の多さに驚く。
あの流行病はいったいどこへやら。
日光東照宮の写真はこちら
家族時間のあとの、ひとり外山登山
二社一寺巡りを終えると、わたしは山へ。
妻と娘は、日光街道沿いのスイーツ巡りへ。
日が暮れるのが早い時期なので、急ぎ足で外山へ向かう。
登山道はよく整備されており、問題なく登れた。
心配していたヤマビルも、この時期は見当たらず安心。
山頂からは、日光の街並みと日光連山を一望。
比高差はあまりないが、眺望は素晴らしい。
途中、登ってくるご夫婦とすれ違い、少し安心。
不慣れな地だからこそ。
下山後の楽しみ
下山後、スイーツ巡りを終えた妻と娘に合流。
妻はプリンとチーズケーキを堪能。
娘はがっつりごはん派で、お腹ペコペコとのこと。
じゃあ、宇都宮で餃子でも食べに行こう。
家康ゆかりの地巡り、完結
ひょんなことから始まった徳川家康公のゆかりの地巡りも、今日で一区切り。
楽しかったなあ。
またどこかに行こう。
そんなこんなの山登りでした。
つづく。
てくてく行程
自宅 → 日光

殿)今日は江戸で暮らしておられる姫を誘い日光にやって来たぞ。
我が妻と姫は甘味処巡り。
わしと鯉吉は山登りをじゃ。
鯉吉案内頼むぞ。
では出陣!

鯉吉)皆さん、その前に日光街道を歩いて日光の二社一寺巡りに参ります。
日光には徳川家康公ゆかりの地である日光東照宮がありますからなあ。

鯉吉)ここは旧日光市役所のようです。
紅葉は終わりかなと諦めておりましたが、まだ綺麗に残っててますなあ。

奥方)殿、ちょっとお待ち下さいませ。
今日お休みだと聞いておりました茶屋が開店の支度をしております。
この茶屋は民のものに人気があると聞いております。
あと10分程で開店するようなので気になる菓子を買っておきたいのですが。
鯉吉)いきなりの甘味休みですな。

姫)SOPPO焼きの栗餡とカスタードクリームを買いましたわ。
お猿さんの可愛いこと。
奥方)美味しいわねえ。

鯉吉)菓子の味はいかがでしたかな?
それでは拝観料300円を支払って神橋を渡りますぞ。
ちなみに電子券を事前に買っておきましたが普通に買うのとあまり変わりませんでしたなあ。

奥方)朱塗りの神橋と紅葉のコントラストが素晴らしいわねえ。

姫)神橋の下に流れている大谷川の水が冷たそうですわ。

殿)あれっ?
行き止まりじゃないか。
渡れるのかと思っていたが。
まあ良い。お参りして引き返すことにしよう。
鯉吉)これはこれは失礼致しました。
下調べが足りませんでしたな。

殿)まあ良いではないか。
見てみろ神橋と大谷川。
そして紅葉。
いい眺めじゃ
日光東照宮~二社一寺の参拝

鯉吉)皆さん。
それでは社寺巡りを開始しますぞ。

鯉吉)まずは日光山輪王寺の三佛堂にお参りします。
殿)参拝者がたくさんおるの~。
流行病の気配も薄れ民のものも喜んでいる様子じゃ。

鯉吉)こちらがこれからお参りする日光山輪王寺の三佛堂です。
輪王寺周遊券を事前に千円払い電子券を購入しておきました。
なんと現在、徳川家康公の座像が特別公開されているそうですぞ。それではお参りしましょう。

鯉吉)こちらは国の天然記念物である金剛桜。
咲いたらさぞや綺麗でしょうなあ。
殿)紅葉している桜もおつなものじゃのう。

奥方)立派な仏像に驚きました。
殿)徳川家康公の座像を拝むことができ感無量じゃ。
じゃが、修学旅行の客人がおり身動きがとれんかったの~。
まあゆっくり拝むことができたから良いわ。
鯉吉)殿、こちらは輪王寺の大護摩堂です。こちらもお参りして行きましょう。

鯉吉)殿、それではいよいよ徳川家康公ゆかりの地巡りの最後を締めくくる地である日光東照宮に向かいますぞ。
この先はわたしの友人である餃子ノ助に案内させます。

餃子之介)殿、お初にお目にかかります。餃子ノ助と申します。
これからわたしが徳川家康公をお祀りする日光東照宮をご案内致しまする。
殿)よろしく頼むぞ!

餃子之介)こちらは五重塔です。
1650年に酒井忠勝により建てられたそうです。
現在の五重塔は落雷のため消失した塔を再建した五重塔のようです。

姫)参拝券を買うのに大勢の参拝者が並んでますわ。
鯉吉)ふふふふ…
殿)鯉吉どうしたのじゃ。
鯉吉)殿、ご心配なく。
日光東照宮の参拝券も1300円支払って事前に電子券を購入しておきました。
では参りましょう。
殿)でかした鯉吉。

鯉吉)日光東照宮にも大勢の参拝者がおりますなあ。
流行病が流行っていた頃が嘘のようです。

奥方)鯉吉? もしかしてこれはかの有名な見ざる聞かざる言わざるで有名な三猿の彫刻ですか?
鯉吉)よく気づきましたなあ。
これからご紹介しようと思っておりましたがそのとおりでございます。
奥方)一度見てみたかったの。
素敵名彫刻ね。

鯉吉)それでは陽明門に向かいましょう。
ちなみに唐銅鳥居から見える陽明門は頭上に北極星を仰いでおり、最強の気場とも言われているようですぞ。
殿)そうか。良いことを聞いた。

鯉吉)こちらがかの有名な陽明門ですぞ。
殿)お~これは立派な門じゃのう。もう少し近くから見せてくれ。

鯉吉)いかがですかな?
数年前に平成の大修理が行われ、建築当時の黄金の輝きを取り戻したようです。
陽明門は一日中見ていても飽きないことから「日暮の門」とも呼ばれているそうですぞ。
彫刻と色彩が素晴らしいですなあ。

鯉吉)続いてこちらは唐門です。
こちらも素晴らしいですなあ。
ちなみに唐門は通り抜けできませぬ。
先に奥宮にお参りして、あとから拝殿にお参りに参りましょう。

奥方)鯉吉? あの猫の彫刻はなあに?
鯉吉)あれは眠猫の彫刻でございまする。
奥方様よく見てみてください。
あの猫は眠っているようですが前足をしっかりと踏ん張っておろます。
この先で眠っておられる家康公を守るためにいつでも飛びかかれるよう準備しているそうですぞ。
わたしと一緒ですなあ。
殿)まっことそのとおりじゃ。

鯉吉)それでは家康公が眠る奥宮に参りましょう。
奥宮は本殿の裏手の山の中腹になります。
少し歩きますぞ。
姫君大丈夫ですかな?

姫)えっ!
こんな階段登るのですか?
聞いておりませんわ。
殿)言っとらんからなあ。はっはっはっはっはー。

鯉吉)奥宮の拝殿に到着です。
皆さん大丈夫ですか? 少しくたびれましたかな?
では家康公の眠る宝塔に参りましょう。

鯉吉)皆さん。
家康公が眠る宝塔が見えて参りましたぞ。

鯉吉)こちらの宝塔の下で家康公が眠っておられるといわれています。
今年一年、家康公のゆかりの地を巡らせていただいたお礼をさせていただきましょう。
殿)そうじゃのう。

鯉吉)またいつぞや皆でどこかに行きたいものですなあ。
御神木にもお礼をしておきましょう。

殿)いや~噂には聞いておったが、日光東照宮は素晴らしいところじゃったなあ。
拝殿の中の装飾も素晴らしかったぞ。
鯉吉)そうですなあ。
殿、表門から先の参道の様子も良い感じですぞ。

鯉吉)殿、続いて日光東照宮をの陽明門を建立した家康公の孫にあたる徳川家光公の廟所のある輪王寺大猷院へ下参道を歩いてお参りに参りますぞ。

殿)これは槌ではないか。
先日触った、たたり石にまつわる物語の最後に、稲生平太郎がもののけたちの脅かしに耐え抜いた証に魔王から槌を貰った話があるが、そんな槌にこの地で出会うとは。
これは良きことのある前兆か。
あやかりたいものじゃ。
鯉吉)そろそろ行きますぞ。

鯉吉)輪王寺大猷院に到着しましたぞ。
こちらの門も日光東照宮に劣らず素晴らしいものですなあ。
二天門と呼ぶそうです。
姫)父上、後ろに修学旅行の客人がおられますわ。
境内が賑わう前に行きましょう。

奥方)まあ長い階段だこと。
それにしてももみじの紅葉が素敵ねえ。
鯉吉)姫君どうしました?
修学旅行の客人に追い付かれてしまいますぞ。
頑張って登って下され。

鯉吉)こちらの門は夜叉門と呼ばれているそうです。
どの門も素晴らしい彫刻ですなあ。
さて、拝殿に入れるようですので見学していきましょう。

鯉吉)日光山大猷院の拝殿内の装飾も素晴らしかったですなあ。本殿の彫刻も素晴らしいですぞ。

鯉吉)殿、ここから先には行けませぬが、この先に日光東照宮を建立した3代将軍の家光公の御廟があるそうです。お参りしておきましょう。

鯉吉)二社一寺の最後に輪王寺大猷院の傍に建立されている二荒山神社にお参りします。
こちらには大己貴命が祀られており、縁結びにご利益があるそうです。
では参りましょう。

鯉吉)こちらが二荒山神社の拝殿です。
たまたま毎年9月下旬から今日まで「良い縁笹の輪」が設けられているようなので、良き縁を願いお参りしましょう。
殿)それは良いことじゃ。

殿)この杉は何じゃ。
鯉吉)これは親子杉と呼ばれるご神木です。
殿)これからも家族仲良く旅をしたいものじゃ。
鯉吉)そうですなあ。

鯉吉)これで日光の二社一寺巡りは終了です。
ここからは二班に分かれ山登りと甘味処巡りに向かいます。
殿はわたしと山登りへ。
外山に向かいますぞ。

このあたりの紅葉は素晴らしいですなあ。
外山登山口~山頂(ひとり登山)

鯉吉)殿、これから上る外山が見えてまいりましたぞ。
どのような山ですかなあ。
ヤマビルがいるようです。
気を付けましょう。

鯉吉)この先が外山の登山道のようです
では行きますぞ。

鯉吉)外山の山頂付近には毘沙門堂があるらしく、登山道や毘沙門堂の参道を兼ねているようです。殿)それで鳥居があるのじゃな。

鯉吉)杉の植林帯を登っていきます。

殿)また鳥居が見えてきたぞ。
鯉吉)そのようですな。

殿)鯉吉見てみろ。
また鳥居だ。
鯉吉)そのようですなあ。

鯉吉)杉の植林帯ばかりを登っていくのかと思っていましたが落葉樹もちらほら見え始めましたぞ。
紅葉しておりきれいですなあ。

鯉吉)殿、このあたりから岩場になるようですので足元にお気を付けを。
それにしても手摺もあり優しい山ですなあ。

鯉吉)落ち葉が登山道を敷き詰めていますがどこかにヤマビルがいるのですのですのかなあ。

鯉吉)どうやら山頂が近くなってきたみたいですぞ。
紅葉が終わってなくて良かったですなあ。

殿)ここが毘沙門堂か?
家臣)そのようです。
お参りしていきましょう。

鯉吉)殿見てください。
毘沙門堂から見える日光の景色が素晴らしいですぞ。
殿)本当じゃ!

鯉吉)殿、奥方様と姫君を任せております猿之進から伝令が参りましたぞ。
どうやらおめあての甘味処に行けたようですなあ。
殿)それは良かった。

鯉吉)それではもう少しで山頂の様子。
殿、参りましょう。

鯉吉)外山の山頂に到着したようです。
ここに鎮座しておられる毘沙門天は日光を守るために祀られたそうですぞ。
殿)そうか。

殿)鯉吉、記念写真じゃ。
鯉吉)はっはー。
男前に写してくだされ。

鯉吉)殿、お願いがございまする。
妻と一緒に日光連山を背景に写真を写してくださらぬか。
殿)よしよし写してやろう。
おえん)ありがとうございまする。
殿? 綺麗に写してくだされよ。

鯉吉)この時期、日光の日暮れは早い。
奥方様も心配なされていると思うので下山しましょう。
殿)まだ未の刻なのになあ。

鯉吉)外山から無事下山することができました。
日光まで来て山に登れてよかったですなあ。
それにしても民の乗る車の渋滞。
くたびれるでしょうなあ。

鯉吉)日光街道沿いに戻ってまいりました。
奥方様と姫君に合流しましょう。
正面に見える店で麦餅(パン)が売られているようです。
奥方様たちは何か買われましたかなあ。

殿)鯉吉、あれは誰の像じゃ。
鯉吉)あちらは家康公、秀忠公、家光公、徳川三代に仕え、日光中興の祖とされた南光坊天海の像です。

猿之進)殿、わたくし猿之進と申しまする。
日光はいかがでしたかな。
奥方様と姫君と一緒に、日光の地酒を買っておきました。
戻られたら召し上がってみてくだされ。
殿)皆々ありがとう。
鯉吉)殿、徳川家康公のゆかりの地めぐもこれでおしまい。
またどこかに行きましょうぞ。
殿)そうだな。
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