てくてく日:2025年4月25日
今日は雨。
いつもなら家でごろごろ過ごしてしまいそうだけれど、
ふと思い立って因島へ向かいました。
目指したのは、岬の先端にある地蔵鼻、
そして小さな山、天狗山。
しっとりと濡れた道を歩きながら、
過ぎた日の記憶や、これからの願いに、そっと触れてきました。
そんな、雨上がりの小さな巡礼旅のはじまりです。
てくてく場所
広島県尾道市因島 天狗山
いんのしま観光なび (外部リンク)
尾道観光協会おのなび (外部リンク)
距離 14.7km 登り 486m 下り 491m
- 因島村上水軍像
- 因島鯖大師
- つれしおの石ぶみ
てくてく感想
雨の日、ぼんやりスタート
今日はお休み。
広島市内で用事があったのだがあいにくの雨。
おまけに朝から妻の体調が芳しくない。
わたしも身体中に謎の痛み。
広島市内での用事は諦めることに。
用事がなけりゃあすることがない。
それでは朝からお酒に溺れてしまう。
しかしどこか行こうにも雨。
妻の具合も悪い。
ということで朝からボーッと過ごしていた。
というか夜眠れず朝の1時からテレビをみていた。
朝の1時は朝じゃない?
よく言われます。
因島の天狗山を目指して
辺りが白んでくる。
雨といっても小雨のようだ。
妻は相変わらず調子が悪い様子。
寒暖差が激しいからね。
朝7時。
雨が止む。
妻は今日息子と映画を観に行く予定。
昼から行くそうなので午前中は寝るそうだ。
わたしは?
身体の節々の痛みがあるが歩けば楽になりそう。
でも天気がイマイチ。
ここは山行リストの中から雨の影響を受けにくい因島の天狗山へ登ることを選択する。
理由は行程のほぼすべてが舗装路であること。
雨が降っても比較的安心だからね。
重たい身体を動かして準備完了。
スクーターで因島へ。
尾道市因島総合支所の駐輪場にスクーターを停めさせていただく。
晴れてはないがとりあえず雨は大丈夫のようだ。
20年前の思い出、地蔵鼻へ
今日は天狗山に登るのだが赤線つなぎも兼ねている。
そして…
因島に三ヶ崎という岬がある。
そこにある地蔵鼻のお地蔵様。
20数年前、妻と子授けのお参りに訪れた場所。
その数ヶ月後に妻は妊娠。
無事出産。
でもその後、お礼参りに行けずじまいになっていた。
ぶたきのこ昔話
ある島の岬の先に、
「地蔵鼻(じぞうばな)」とよばれる小さな祈りの場所がありました。
そこには、子を授けたいと願う人々が、
静かに手を合わせるお地蔵さまが祀られておりました。
ある年、若い夫婦が、この地蔵さまに会いにやってきました。
ふたりは、どうか授かりますようにと、
心から手を合わせました。
帰り道、ふたりが波打ち際の小道を歩いておりますと──
大きな大きなアオダイショウが、でん!と道をふさいでおりました。
ふたりはびっくり仰天。
けれど、アオダイショウは何もせず、静かに道を譲ってくれたそうです。
それからしばらくして、
妻のお腹には小さな命が宿りました。
やがて無事に、元気な赤ちゃんが生まれました。
それから月日は流れ、
子どもが三つになったある日のこと。
夫は、
「そろそろお礼参りに行こうか」
と、妻に声をかけました。
すると妻は、ぽろりと涙をこぼして言いました。
「今行ったら、地蔵さまに連れて行かれる気がする…」
夫は「そんなことないよ」と言いましたが、
妻の胸には何か深い思いがあったのでしょう。
それきり、ふたりはお礼参りを控え、
ただ静かに、子どもの成長を見守ったのでした。
子どもも無事成人。
そろそろお礼参りに行ってもいいだろう。
地蔵鼻でのお礼参り
役場からブラブラと歩き三ヶ崎へ。
地蔵鼻への遊歩道に到着。
波打ち際の遊歩道が続く。
満潮時は海に浸かる地蔵様。
今日は潮が引きかけている。
期待しながら歩く。
かつて並んでいたお地蔵様たちは撤去され、スッキリした遊歩道。
滑りやすい足元に注意しながら進み、無事お礼を伝えることができた。
折古の浜へ
ルートに戻り、三ヶ崎にあった美可崎城跡を見学して折古の浜へ向かう。
潮風を感じながら、浜大根越しの海を眺める。
良いところだ。
でも、今日のメインはまだこれから。
天狗山へ向かわなければ!
因島公園から天狗山へ
体調もあり、予定していた海岸線ルートをショートカット。
小高い丘を越えて因島公園入口へ。
そこからさらに歩いて、因島村上水軍像に見送られながら天狗山登山口へ向かう。
登山口はホテルいんのしまの先、鯖大師の境内裏。
つれしおの石ぶみを見ながら、いよいよ登山開始。
シャクトリムシ地獄と第三公園
登山道は整備されているが、至るところにシャクトリムシ。
顔や首筋にあたるたびに「うぎゃーっ!」を繰り返しながら登る。
視界が開け、因島公園の第三公園に到着。
良い景色だ。
夕日は因島八景に選ばれているらしい。
ベンチで休憩して、最後の登りへ。
天狗山の山頂と絶景
因島村上水軍像を通り、天狗山の山頂に到着。
瀬戸の海を見渡す絶景。
天気も回復し、陽が差してきた。
行動食のコロッケを頬張りながら景色を堪能。
土生商店街でいんおこ
下山後、土生地区の商店街へ。
目指すは「お好み越智」さん。
ここで因島ソウルフードの「いんおこ」(うどん入りお好み焼き)をいただく。
もっちもち、カリッと焼かれたうどん。
絶品。
満足満腹で土生の港を眺めながら、因島総合支所へ戻る。
ふりかえり
朝は身体中に痛みがあったが、歩くうちに楽になった。
天気はイマイチでも、山に登ると気分がいい。
そんなこんなの山登りでした。
つづく。
てくてく道のり
因島総合支所からスタート

尾道市因島総合支所の駐輪場にスクーターを停めさせていただきました。
今日は天気が不安定なので屋根があって安心。
それでは行って来ます。

海沿いを少し歩いたら…

三庄方面に向けて峠越えをします。
雨上がり後なので山の頂上付近はガスがかかってる。
雨だけは降りませんように。

峠を越えて海が見えてきたぞ。

八雲神社前を左折して三ヶ崎方面に向かいます。

光春公園に咲くキンセンカ。
光春公園は公園傍にある石田造船の二代目の社長であった石田光春氏所有の三輪を切り開き整備された公園らしい。
造船所の職員が整備してくれているんだろうなあ。

光春公園から少し歩いて三ヶ崎までやって来ました。
地蔵鼻への道

これから三ヶ崎の突端にある地藏鼻へお参りさせていただきます。
20数年前のこと。
こちらの地蔵尊に子授けのお願いに夫婦で訪れたことがあります。今日はそのお礼も兼ねて立ち寄らせていただきました。

海沿いの遊歩道を歩いていきましょう。
そういえば前回来たとき遊歩道に大きなヘビがいたなあ。

以前妻と祈願に訪れたときは地蔵鼻への遊歩道脇には祈願成就のお礼の石地蔵がたくさん置いてあったが今は置いてないなあ。

地蔵鼻へ着きました。
ちょうど潮が引いていたのでお詣りができます。
わたしたち夫婦の息子も無事成人いたしました。
これからは世の中のために役立つ人物になりますようご指南ください。

お礼参りが終わりましたので戻りましょう。
なんか肩の荷が下り降りた気持ち。
ちなみに息子は巳年生まれ。
20数年前に見た蛇の生まれ変わりだったりして。

祈願成就の石地蔵はこちらへ集められていました。
この先にあの蛇がいたなあ。
美可崎城跡と折古の浜

地蔵鼻への遊歩道から戻って来ました。
続いて三ヶ崎の突端に因島村上水軍が瀬戸の関所として活用していた美可崎城跡に行ってみます。
獣避けのゲートを開けてインッ!

みかん畑を抜けて美可崎城の登城道を進みます。

美可崎城跡に到着。

瀬戸の海が良く見える。
海の関所としては申し分ないな。

では今日登る天狗山に向かいましょう。
もうしばらく歩きます。

折古の浜を歩いてます。
ハマダイコンの花越しの瀬戸の海。

ここを登ってみましょう。

登っていくと陣がありました。
五柱神社という神社のようです。

五柱神社でご挨拶をして天狗山に向かう途中で見かけた山フジの花。
見た目も良いがいい匂い。

海岸沿いをあるくのが飽きたのでしばしショートカット。
天狗山へ

こちらから天狗山に向けて登っていきます。

天狗山への取り付き部。
歩く人が少ない様子。
荒れてませんように。

天狗山の山頂へと続く登山道は荒れてはいないがシャクトリムシがたくさん木々から糸を垂らしてぶら下がっている。
ウギャーッ!

因島公園第3公園に到着。
いい景色だ。

ツツジ越しの生名島。
奥は岩木島。
岩木島の山頂は桜の名所。
もう葉桜だろうなあ。

因島村上水軍像がお出迎え。
ここから瀬戸の海を見守っているのかな?
奥に見えるのはこれから登る天狗山。

因島鯖大師へお参りしていきましょう。

天狗山には鯖大師の裏手から取り付きます。
因島にゆかりのある文人の詩歌が刻まれた石碑が各所に設置された”つれしおの石ぶみ”を登っていきます。

林芙美子の詩歌が刻まれた石碑。

こちらは因島が誇る囲碁の名士である本因坊秀策の詩歌が刻まれた歌碑。
意味は分からん。
天狗山山頂

文人の歌碑を見ていたらいつの間にか天狗山の山頂へ。

天狗山の山頂から地蔵鼻方面の眺め。

こちらは瀬戸田方面の眺めだ。

山頂に着きましたので少し休憩。
コロッケをいただきます。
お昼ごはんこれだけ?
メインは下山してからのお楽しみ。

では天狗山から下山します。
右手の因島第一、因島第二公園方面へ向かいます。

瀬戸の海に向かい下山します。

因島第二公園に到着。
ツツジが満開だ。

因島第一公園はコース的にパス。
土生方面に向けて下山します。
もみじのトンネル。秋ニナルと紅葉が素敵だろうなあ。
土生商店街へ下山

天狗山から下山して土生の商店街へやって来ました。
この商店街へ来た理由は…

お好み越智さんで昔ながらのオーソドックスなお好み焼きであるいんおこをいただくためでした。
お邪魔しま〜す。

手前は先客さんが注文されたお好み焼き。
わたしが注文したのはお好み焼肉玉の中。
いんおこにはうどんが使われているのが基本。
それにしても手前のふたつは豪華だなあ。

値段もリーズナブル。

お好み焼肉玉中ができました。
シンプルな重ね焼きだがこれが美味い。
いんおこの特徴であるうどんは、ベチャベチャしておらずシッカリ焼かれてカリッとしている。
ソースはミツワソースとイカリソースのミックスのよう。
甘辛て好みの味だ。

念願のいんおこ。
おいしくいただきました。

では土生の港の様子を見ながらスクーターを停めさせていただいている役場へ向かいましょう。

役場へ到着いたしました。
我がスクーターよおかえり。